
「腫瘍」「がんの治療」と聞くと、つらい治療や難しい選択を想像し、不安や迷いを感じる方も多いと思います。実際に、治療をするべきかどうか悩まれながら来院されるご家族も少なくありません。腫瘍の中には、残念ながら完治が難しいものもあります。そのため治療の目的は、「治すこと」だけでなく、少しでも穏やかで、その子らしい時間を延ばすことになる場合もあります。
犬や猫にとっての1か月は、私たち人の時間に換算すると、数ヶ月から半年近くに相当すると言われています。その時間をどう過ごすかは、ご家族にとっても、動物にとっても、とても大切な意味を持ちます。
私はこれまで、一般診療とあわせて犬猫の腫瘍科診療にも力を入れてきました。
その経験を活かし、当院でも「治療をする・しない」を含め、ご家族が後悔のない選択ができるよう、寄り添った診療を行っていきたいと考えています。
腫瘍科の診療はどのように進むの?
まずは問診から始めます。
『いつ頃から』『どこに』『どのような変化があったか』など、これまでの経過を詳しくお聞かせください。
その後、年齢や持病の有無、現在の生活状況なども踏まえながら、必要に応じて検査や治療の選択などお話しできればと思います。
治療にかかる費用や通院の頻度についても大切なポイントですので、『できるだけ負担を少なくしたい』『しっかり治療を検討したい』など、どのようなお考えでも構いませんのでお気軽にご相談ください。
腫瘍科診療ではどんな検査をするの?
腫瘍の状態を正しく把握するために、必要に応じて様々な検査を組み合わせて行います。全てを一度に行うわけでなく、その子の状態や目的に合わせて選択していきます。検査の例として
- 血液検査
- レントゲン検査
- エコー検査
- 細胞診、組織検査
- CT検査、MRI検査 ※二次診療施設へのご紹介となります。
などが挙げられます。
実際にはどのような治療を行うの?
がん治療には三大療法と呼ばれる基本的な治療方法があります。
腫瘍の種類や進行度、その子の体調や生活の質を考慮しながら、単独または組み合わせて選択します。
これらの治療だけでなく、『できるだけ苦痛を減らし、その子らしい時間を過ごすこと』を大切にする緩和治療という選択肢もあります。
緩和治療では
- 痛みや不快感のコントロール
- 食欲や元気を保つためのサポート
- 腫瘍に伴う各種症状に合わせた治療
などをおこなっていきます。またこれらは上記の三大治療と並行しておこなって行くことも可能です。
以上の検査、治療も含め「この子にとって何が最適か」「こんな時間を過ごしていきたい」など年齢や持病、性格、ご家族の生活スタイルなど考慮しながら一緒に考えていければと思います。